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“いろいろ”とは?


こどもも おとなも あなたもいっしょに いろいろ

 フランスの詩人、ジャック・プレヴェール(1900〜1977年)。シャンソン『枯葉』の作詞、映画『天井桟敷の人々』の脚本で知られているかもしれません。プレヴェールはアンドレ・ブルトンらのシュルレアリズムグループに出入りしていましたが、居心地が悪かったようで、そこから飛び出して、大衆芸能の世界へと入ってゆきます。彼の詩は、もう今では忘れ去られているのかもしれませんが、その片鱗は残っています。

例えば、ジブリの創設者のひとりである高畑勲はプレヴェールから強い影響を受けており、過去のジブリ映画のどこかに、その残り香を感じることができるかもしれません。


プレヴェールの詩をひとつ紹介します。

筆算紙(Page D’ecriture)

ジャック・プレヴェール
(Jacques Prévert)
(引用元 wikipedia)

2たす2は4
4たす4は8
8たす8は16……
さあもう一度! と先生がいう
2たす2は4
4たす4は8
8たす8は16。
ほら琴鳥が
空を飛んでゆく
子どもが見つけ
声を聞き
呼ぶ
助けておくれ
ぼくと遊んでよ
鳥さん!
すると鳥は舞いおりて来て
その子どもと遊ぶ
2たす2は4……
さあもう一度! と先生はいう
だが子どもは遊んでいる
鳥が子どもと遊んでいる……
4たす4は8
8たす8は16
16たす16はいくつになる?
16たす16は何にもならない
32にはなおさら
とてもならない
そして 数字たちはどこかへ行ってしまう。
子どもは机のなかに
鳥をかくした
するとみんなの子どもたちに
鳥の歌が聞こえる
みんなの子どもたちに
音楽が聞こえる
8たす8は 順に行ってしまう
4たす4も 2たす2も
順々に ずらかる
1たす1は 1にも2にもならない
一つ一つ やはり行ってしまう。
そして琴鳥は遊び
その子どもは歌い
先生は叫ぶ、
フザケルのはいい加減にしなさい!
だが ほかの子どもたちはみんな
音楽を聴いている
と 教室の壁が
静かにくずれて、
窓ガラスが元の砂になり
インキは元の水になり
机は元の木になり
白墨は元の崖になり
ペン軸は元の鳥になる。
(北川冬彦訳)

 
 聖書には「真理はあなたたちを自由にする」(ヨハネ8章32節)とあります。「1たす1は2」は演算の世界では真理かもしれませんが、これはひとが生きる中での全てではありません。生きていれば、ズレちゃうこともしょっちゅうあります。


近代は分類を進めてきました。近頃はボーダーラインという単語が都合よく使われ、最終的にどこに属するのかカテゴライズすることが重要だとされています。皆さんの周囲にも知らず知らずのうちに、たくさんの分類があるはずです。しかし、それは本当に必要なことなのでしょうか。分類は時に分断を生み出します。この国の近代に登場した「教会」も、分類と無縁ではないはずです。

わたしたちは自由です。

どこにも分類されずに、ズレたり、飛び出したり、いろいろ、自由なのです。こどももおとなもあなたも、みんな「いろいろ」でいいのです。もし、あなたが、あるいは誰かが不自由ならば、そこから順々にずらかって、神さまが教えてくれる真理の中で、それぞれの、いろいろな自由をつかんで、そしてそれを抱えて一緒に生きていければいいなと思っています。いろいろは、そういう場所を目指します。

2026年2月
いろいろスタッフ一同