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こどももおとなもあなたもいっしょに - 読み物

《シリーズ》子どもとの出逢いをとおして「なまけもの」


2026.06.05

塩谷洋子

相談室で一番人気があるのは「なまけもの」のぬいぐるみです。「なまけものはいいよね」と子どもたちは言います。

授業の後は部活、習い事、塾等々で時間に追われるからでしょうか。家に帰るのは21時、22時、という子もいます。そういう子どもたちが翌朝「眠い」「疲れた」と言って相談室に来るのです。この子たちを応援するだけでいいのだろうかと悩みます。

私は成績のことであれこれ言われたことも、塾に通ったこともありません。引っ越しの片付けをしていたら小学校の時の通知表が出てきました。そこで父が毎回、「我が家の方針として勉強、勉強と言わないようにしている」と書いているのを知りました。悪い成績のことで先生から注意されないよう私を守ろうとしてくれていたのかもしれません。あるいは「娘は(点数が取れなくても)なんとかなる」と信じてくれていたのかも……。なんとかなったのかは別として、おかげで私は頑張り過ぎることから解放されていました。

期待されるのは嬉しい反面、プレッシャーです。期待もほどほどがいいのでしょう。学費に加えて塾や習い事の費用、その他の世話をしてもらう子どもたちは保護者に対する感謝から期待に応えようと必死に頑張るのです。「なまけてみたい」。そんな気持ちがなまけものを抱きしめることにつながっているのかもしれません。そして、なまけものの頭をぽこぽことたたくのは「なまけちゃいけない」という自分への戒め、でしょうか?